2014年12月23日

キリンHD新社長、巻き返しへ写真

キリンホールディングス(HD)は22日、三宅占二社長(66)の後任に、事業子会社、キリンビールの磯崎功典(いそざき・よしのり)社長(61)を充てるトップ人事を発表した。ビール類市場が縮小する中、キリンは市場シェアを大きく落としている。「キリンブランド」の再構築を図り、シェア回復への巻き返しを目指す。来年3月末に開かれる株主総会を経て、正式決定する。磯崎氏は、中間持ち株会社で、国内飲料事業を統括するキリン社長も兼務。三宅氏は代表権のない会長に退く。これに先立ち、来年1月1日付でキリンビール社長に、キリンビールマーケティングの布施孝之社長(54)が就任する。

 社長を退任する三宅氏は「5年間全力投球した。やり残したことはない」と振り返りつつ「残念だったのは、国内で(キリンへの)支持が低下したこと。毎年の利益目標を達成できなかった」と無念さをにじませた。

 キリンがビール業界の「盟主」だったのは、遠い過去の話だ。ビール類市場では、2001年に「スーパードライ」で攻勢をかけたアサヒビールに逆転を許し、首位から陥落。09年には返り咲いたものの、三宅氏が社長に就任した10年以降はシェアを落とし続けた。今年1~6月は33.1%とアサヒに5ポイントの差を付けられた。サントリーやサッポロもシェアを伸ばしており、キリンは「独り負け」の状態だ。

 11年にはブラジルのビール2位、スキンカリオールを買収するなど海外事業に注力したが、逆に国内の戦略がおろそかになったとの指摘もある。そのブラジル事業も低迷しており、八方ふさがりの状態だ。

 磯崎氏は国内とブラジルの立て直しを重点課題として掲げ、「消費増税後の対応で、競合他社はしたたかな戦略をとった。商人という精神がキリンには欠けていた」と反省する。磯崎新社長は就任直後から、営業力の強化と「キリンブランド」の再構築に向け、待ったなしの対応を迫られることになる。【神崎修一】

 ◇ビール類市場

 2013年のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の国内総出荷量(課税済み)は前年比1.0%減の4億3357万ケース(1ケースは大瓶20本換算)となり、9年連続で過去最少を更新した(現行方式の統計は1992年から)。少子高齢化や若者のビール離れに歯止めがかかっていない。今年1~9月も夏場の天候不順が響き1.6%減だった。ビールは1.0%減の1億5480万ケース、酒税率が低い第3のビールは3.5%減の1億1418万ケースだったが、発泡酒は1.7%増の4430万ケースと12年ぶりに前年実績を上回った。サッポロビールがプリン体ゼロの「極ZERO(ゴクゼロ)」を7月に発泡酒として発売。他社も追随して人気が出ている。



Posted by jimufuku at 10:37│Comments(0)
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